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清凉寺近くの「つちだファーム」は、清滝街道に面した畑だ。畑の向かいの小屋に自動販売機があり、有機農法で栽培した野菜が販売されている。

この界隈には、野菜の自動販売機が何ヶ所かある。コインロッカーのように、棚ごとに100円玉を入れて購入するタイプが多く、500円や1,000円札では買えない。あらかじめ100円玉の用意が必要だ。

その点つちだファームの自販機は、1,000円札に対応していてお釣りが出る。しかも冷蔵機能もついていて便利だ(千円札未対応、お釣りが出ない機種もある)。何が売っているか書かれていたり、袋の用意もあって、何かと行き届いている。

今の時期は、ほうれん草や小松菜やわさび菜、大根や白菜、黒豆などが並ぶ。

つちだファームを運営しているのは、地元出身のご主人と、宮崎出身の奥さん。日中は畑におられるので、売り切れの時は、直接声をかけて購入できる。おられない場合は、自販機に書かれている携帯電話にかけても対応してもらえる。

もともと槌田さんは会社員として働いていて、農作業にはノータッチだった。だが両親の継いでほしいという願いや、お父さんの体調不良が重なり、27年前に退職して農業をする道を選んだ。以前は米も育てていたが、次第に小松菜を栽培するようになった。

畑の周辺は小松菜の生産地らしい。つちだファームも長らく小松菜を生産し、卸売市場に出荷していた。

同じ作物を同じ土で作り続けると、病気になりやすくなる。病気を防ぐには、別の作物を植え土を変える必要がある。槌田さんも病気対策で多種生産をはじめ、2017年に小売をはじめるべく自販機を設置した。はじめは1台だったが、現在は4台設置して、消費者に対応している。

今も看板商品は小松菜。しゃきっとみずみずしく、食べる前からおいしそうだ。

20種ほどの野菜のほか、農園内には約70本レモンの木もある。自販機以外に、オンラインショップで「京れもん」で販売していて、人気が高いそうだ。

嵯峨産のレモンがあるのが驚きだし、ノーワックス・農薬・防腐剤不使用なので、皮ごと使えるのがうれしい。

例年は春頃まで採れるが、年明けの寒波で、レモンが凍ってしまったそうだ。数日後”壊死”した状態になり、その後”凍死”したという。木になっている実の90%ほどが寒波の被害を受けたそうで、今季はもうすぐ収穫が終わるらしい。まだ買いたかったので残念だ。

市場に卸していた頃ご主人は、売上の数字にやりがいを感じていたという。しかしお客の顔が見えない、卸せば終わりのスタイルに疑問を感じていたそうだ。

小売になり、買いに来てくれるお客さんとのやりとりが楽しいとご主人は話す。食べ方のアドバイスや、おいしかったと感想ももらう。小さなサークルだが、今のやり方にこそやりがいを見出している。

以前、ある直売所から仕入れて販売したいと打診があったが、管理が大変などの理由で断った。もしかしたら大きな販路になったかもしれないが、お客さんの顔を見て販売したいというのも、断る大きな理由だった。

お二人とも、終始わかりやすく話をしてくださり、真面目で実直な人柄を感じた。それは野菜にも現れていて、どれも美しく整っている。自販機周辺もキレイに整頓されていて、そういう面からもお二人が作る野菜は間違いないだろうと想像できるのだ。

ところで、自販機の棚に入っている野菜は小分けのものが多い。大家族には不足かもしれないが、これからの時代小分けの方が需要がありそうだし、常に新鮮なものが買えるだろうから、消費者としてはありがたい。

右京区内、特に西の方は畑がたくさん残っており、無人販売も至るところにある。それぞれ工夫を凝らして販売していて、めぐりながら買うのは楽しい。しかし、亀岡のたわわ朝霧や道の駅の産直コーナーのように、1ヶ所で買えるのも便利だ。さまざまな生産者の野菜を、あれこれ選べるのも楽しい。

右京区にはそのようなスペースがあまりないので、誰か作ってほしい。いろんな事情があって実現は難しいかもしれないが、望む消費者は多い気がする。

右京区役所でイベント的に開催されているが、常設で運営できれば、右京名物になるかもしれない。そうすれば区内への来客を呼び込むきっかけになるのではないか。法人で大きくでも個人で小さくでも、何でもいいから、検討してほしいと思っている。

information

京都市右京区嵯峨釈迦堂藤ノ木町8-3
自販機は24時間稼働

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